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 平成25年 講演会報告
平成25年度保護者対象講演会
『充実した大学生活を過ごすには』
日時:
会場:
講師:
平成25年5月19日(日) 10:30~
糸山英太郎記念教育研究総合センター A103号室
木枝暢夫氏(湘南工科大学 工学部長・教務部長)
 この10年あまりの間に、大学は大きく変わりました。今の湘南工科大学では、学生たちの入学理由や能力が本当にさまざまです。中には高いレベルの専門的な技術や考え方を身につけたいという学生もいますが、彼らにしても学ぶための準備は十分ではありません。一方で、特に目的なしに何となく大学へ来てしまった学生が年々増えています。そのような状況の変化に本学としても何とか対処するべく、これまでもいろいろな方策を実施してきました。しかし残念なことには、それらが学生たちの変化に十分追いつけていないばかりか、場当たり的な対応によって全体の方向性が見えにくくなっているのが現状です。
 その結果を如実に表しているのが、ここ数年の退学率の増加と就職意欲の低下です。詳しい状況は当日の講演会にお話いたしますが、相当に危険なレベルであることは疑いありません。本年度からの新体制の下では、何よりも先にこれらの問題を改善するために、より強力な対策を進めてゆこうとしています。その基本として松本信雄学長が新学期早々に提示されたのが、教育をしっかりやる、という教育機関として当たり前のことでした。
 具体的には、授業の出欠をきちんと確認して学則に明記された回数以上の欠席があった場合には単位を認定しないこと、進級や卒業の基準に対して情実による緩和措置をおこなわないこと、などの対応が挙げられます。この方針は、すでに学生たちには新学期のガイダンスで伝えられており、彼らも危機感を持った様子が授業の際に感じられています。一方で、厳しくする以上は教職員の側にもそれだけの覚悟が必要であり、これまで以上に学生理解を深め、授業の工夫や適切な支援をおこなうよう強く要請しているところです。
 大学入学の目的を突き詰めてゆけば、卒業までに自分自身をレベルアップして、社会の中で自分らしく生きられる場所と手段を見つけられるようになることだと思います。それが達成できれば、就職でも何でも,卒業後の進路に困ることはないでしょう。しかしながら,そのために必要な学びを自分自身で見つけ、進めてゆける学生は少数です。したがって本学では、今後これまで以上にきめ細やかな指導をおこなうとともに、学生の育ちを助けるための新規のプログラムを順次実施してゆく予定です。
 一方で、こういった大学の努力を実らせるためには、保護者の皆様のご協力が必要になります。大学生はもう大人なのだから自分の責任でやらせればよい、大学に任せておけばよい、というようには考えないでいただきたいのです。たとえばアルバイトや生活習慣の問題は、大学での指導だけでは改善が難しいものです。発達面や精神面で弱さを抱えた学生たちには、それぞれに適した対応を考えなければいけません。きめ細やかな指導をおこなうには、その基礎となる情報が不可欠です。
 年2回の懇談会は、このようなご相談をさせていただける貴重な機会です。ぜひ多くの保護者の皆様にご参加いただきたく、この場を借りてお願い申し上げます。

  

    



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